<J1浦和>オジェック監督解任 選手固定で疲弊、停滞招く
オジェック監督は昨年、アジア王者に導いた功労者だ。だが、藤口 社長は「選手たちが踊っていない。監督の大きな仕事は、選手を気 持ちよくピッチに送ること。練習の雰囲気も重く、環境を変えるのが 一番と判断した」と早めの“外科手術”に踏み切った理由を説明し た。 「豊富な戦力を生かしきれていない」「攻撃がポンテ頼み」などとい う批判は昨年からあった。過密日程になっても頑固なまでに同一メ ンバー起用にこだわった。その結果、主力の疲労蓄積や故障を招 き、最後に失速してJ1連覇を逃した。監督批判を繰り返して昨季限 りで退団したワシントンを筆頭に疲れきった一部主力と、出番を与え られない控え組が不満をため込んだ。 それでも昨年は、結果を出すことで抑え込んできた不満が連敗で 噴き出してしまった。 後任のエンゲルス監督は、98年シーズン限りで吸収合併された 横浜フの最後の監督だった。当時も秋にコーチから昇格し、空中分 解しかけたチームをまとめ天皇杯を制した。当時の主力のサンパイ オは、エンゲルス監督が「試合に出たくなかったら、(天皇杯には出 ずに)このまま解散する。出たい人だけ集まって練習しよう」と雄弁 をふるい、流れを変えたことを証言する。人望が厚い新監督がどの ようにチームを導くか、注目される。 |